オヤジ×大学生 その1

 ――じゃあ、してみようか。
 西田さんに昂ぶったモノを握り込まれて俺は奥歯を噛みしめた。
 最初はそもそもお互いのを擦り合うという話だった。西田さんが学生時代、ゲイの友達とそういうことをしたのだそうだ。
 酒も入ってたし、失恋したばかりで気持ちが荒れていたのもあった。ほんの軽い気持ちだったんだ。
 それなのに……
 今擦ってるのは西田さんだけ。
「そっちからキスして」
 西田さんの甘い声。俺はふらふらと腕を伸ばした。唇が重なる。
 ぞくっと震えがきた。
 俺のを弄ぶように指が踊る。さっきから焦らされてずっとこうなのだ。俺のを握って、先端を親指で擦る。どろどろに溶けていく。
「は……ぅ」
 ……もっと擦って。そう言いそうになってしまった。
「もっとして欲しい?」
 西田さんが悪戯っぽい目で訊く。
 俺は思わず頷いて西田さんを見上げる。……欲しい。
「じゃあその前に挿れさせて」
 甘い声。でもそれは。
「怖くないから。挿れたら達かせてあげるよ。だって」
 西田さんの唇が耳元に近づく。吐息が耳にかかる。びくびく震える。
「きみだけ気持ちいいのは、ずるいだろう?」
 それは、……そうだ。
 そもそも最初は、軽く擦りっこするだけのはずだった。なのに俺ばっかりしてもらってて、西田さんにしてあげてない。
 ジーンズを膝までずり下ろされる。
「よつんばいになって」
 ……よつんばい。こんな状態で恥ずかしい。
 と思ったときだった。
「上手に出来ないの?」
 俺の腰を高くかかげ、後ろからぬるぬるした指で俺の入り口を擦り始めた。
「な、……何……?」
「大丈夫。ローションつけてすべりをよくするから」
 ずぶずぶと音がして、指が中に入ってくる。初めての感触。
「にし……っ」
 最後まで声にならなかった。ぴしゃぴしゃと恥ずかしい音を立てて指が俺の中に出入りする。
「少しだけ、ガマンして」
 低い声と同時に、腰を抱えられて、そして──
 衝撃が、全身を走った。
 大きくて硬いものが俺の奥まで入る。指とは全然違う。苦しい。
「小さくなってないね」
 いきなり囁かれた。
 ……今の、何だ?
 耳元が、痺れた。甘い痺れが身体に伝わって、そして。
「これ、感じる?」
 今度は耳たぶを軽く噛まれた。
 全身が、震えた。
 俺の中のものが、擦れる。
 そのとき西田さんが俺のを握った。軽く擦る。
 ……うわ、何これ。
 前と後ろと両方に、すごい刺激が走った。
「に、……西田、さん、……もっと……」
「達きたいの?」
 西田さんが意地悪く訊く。
「達きたい。達かせて。お願い」
 でも恥ずかしがってる余裕はなかった。俺はうわ言みたいに口にする。
「じゃあ、一度だけ達かせてあげる」
 一度だけ?
 その言葉に気をとられたのは、一瞬だった。
「やぁぁぁ……っ、──……!」
 自分の声とは思えない高い声が、唇から漏れた。西田さんの手が俺のを激しく擦る。今まで焦らされていた分、すごく感じる。……どうしよう。
 弾けた──!
 白濁した液が飛び散る。なのに身体のほてりが全然おさまらない。俺、どうなったんだろう。
 西田さんの指が、俺の乳首を摘んだ。背中が反り返る。俺の中を西田さんのが擦る。どうしよう。初めてだ、こんな感覚。どうしたらいいか判らない。
「もう大きくなってる」
 西田さんが先端をつついた。
「……っ」
「そろそろ終わりにしようか」
「やっ、やだ、まだ……」
「もっとして欲しいの?」
 人差し指の腹が俺の先端を撫でる。腰が小刻みに動く。中が軽く擦れる。
 ……おかしくなる。高い声を出して喘いでしまう。
 どうしよう。
「欲しいよ、もっとして。……お願い、もっと」
「欲張りな子だ」
「……だって」
 そうしている間にも、西田さんは俺の乳首を摘み、背中を舐めた。身体が震える。おかしくなる。衝動が行き場を探して身体中を駆け巡る。
 達きたい。
「恥ずかしい子だ」
「西田、さ、……」
「でも」
 西田さんが俺の腰を抱いた。今までとは打って変わって激しく俺の中に打ちつける。
 それが、……気持ちいい、なんて。
「欲張りな子も恥ずかしい子も大好きだよ」
 甘い声。
「や、……あぁぁぁ────!」
 今までとは全然違う快感が全身を包む。
 俺は理性を手放した。

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